2010年9月18日 引っ越し

夕景私の仕事部屋からは夕日が綺麗に見え、よく写真を撮っていた。しかしその方向にホテルが建設されることになり、遠くに見えていた教会も、塔の先端だけしか見えなくなった。友人にそのことを話すと、引っ越しする?という冗談が返ってきていたのだが、本当に引っ越ししなければならなくなった。というのは、私が住んでいる建物とその周辺合計4棟の所有者が替わると言うこと。普通はそのまま住むことが出来るが新しい所有者は新たに建て替えたいということで、12月末までの引っ越しを余儀なくされた。しかし今回の引っ越しは所有している不動産屋の方に理由があるので引っ越し費用は不動産屋持ちとなった。その知らせを受けたのは、今年の夏一時帰国する直前だった。

今年の夏は京都で自身の個展を開催し、東京及び大阪での写真展に出展、写真のイベント参加など写真三昧な夏だった。そしてザールブリュッケンに帰ってきた8月中旬より家探しを始めた。隣や下の住民は既に引っ越ししているようで建物内が何処か寂しかった。

家探しと言えばミュンヘンに住んでいた時のことが思い起こされる。当時のミュンヘンはここ数十年で最も住居不足と言われていた時だった。一軒の家を見に行くと、100人以上の見学者がいて、 家探しは容易ではなかった。特に学生が難しかった。学生寮も不足しており、最大で3年半待ちという状況だった。自分も見に行った家のほとんど全てに「住みたい」と申し込みをしたが、見つかったのは約40軒目くらいだった。

それでもすごい数だと思っていたが友人は倍の80軒申し込んだらしい。また別の友人、彼は学生だったが、最初の一ヶ月間に家が見つからなくて結局ペンションで寝泊まりするようになった。そのときのことを思えば、ザールブリュッケンでの家探しは容易に済むように感じられた。

家探しに当たって、幾つか条件を書き出した。それでインターネットの幾つかのサイトや新聞を調べたものの希望するものは簡単には見つからなかった。一度、住んでいる直ぐ近所で家を見せてもらったことがあった。広さもこれまでとほぼ同じで、細かいところを見ると完全に満足というわけではないが大きな不満もない部屋だった。申し込む前に家に帰って、どこにどの家具を置くか、撮った写真を見ながら考えていると、どうも今持っている家具の一部が入らなそうだったので、結局そこは断りを入れた。それ以外にも何軒か見学の申し込みをしたり、問い合わせたもののどこも縁がなかった。

12月末までに引っ越しをすればいいので、その時点では直ぐに見つからなくても良いという意識もあったが、出来るなら9月中に引っ越しをしたかった。というのは10月に冬時間になると午後4時には暗くなってしまい引っ越し作業や整理をするにも効率が悪い。夏時間の暖かい、明るい時に引っ越ししたかった。

すると住んでいる家の直ぐ近くの物件がネットで出てきたのでそれを出している不動産屋に申し込みをして、部屋を見せていただくことになった。そのときは全部で4組見に来るという。約束の時間に行くと、ちょうどその前の人が見た後だった。彼はその部屋を気に入っているという。翌日、不動産屋に連絡を取って申し込みをした。不動産屋を訪れて書類に記載する。不動産屋はそれを所有者に送り、所有者が次の住民を選ぶということになっている。

数日後、不動産屋から決まったと連絡があった。8月末に新しい家が見つかり、引っ越しは9月中旬となった。それに会わせて色々行動したが、一つ予定外のことがあった。電話の引っ越しである。自分が加入している会社は電話の引っ越し期間に約1ヶ月かかると言うこと。8月末に申し込んだので電話の引っ越しは早くても9月の末になる。つまり引っ越し日の9月中旬から、9月末までは電話もネットもない生活となる。それだけが予定外だったが、無事引っ越しの日を迎えた。

つづく


ホテル建設中

ホテル建設中


新聞

物件が載っている新聞



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