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2011年5月1日 ザールブリュッケンの4月

日の丸を掲げた船4月11日にザール川にかかるアルテ・ブリュッケ橋を渡っていると停泊している船に日の丸が見えた。ここを何度も通っているが日の丸を見たのは初めてである。下に降りて船を見てみたが、特に日本とは関係ない船のよう。もしかすると東日本大震災発生からちょうど1ヶ月なのでその追悼の意味があるのかもしれない。震災から一ヶ月が経っても、会う人会う人に震災のことを聞かれる。それはドイツ人だけでなく、日本人同士が出会ったときも必ず話題にのぼる。

ニュースや新聞では震災の報道だけでなく、原子力発電所に関するものも多い。ドイツは原発大国なので、当然気になることが多いと思われる。風になびく日の丸を目にして、個人では出来ることは限られるが、それでも何か出来ることをやっていきたいと改めて感じられた。後日、その船を見てみたがいつものように停泊しているだけで、日の丸は揚がっていなかった。やはり追悼の意味があったのだろうか。

ここ最近、ザールラントは穏やかな天候が続いている。真っ青な空の元には栗の木の存在感が強くなり、近くでそれを見てみると、まるで深海に生息する生き物のように見える。栗の木に花が咲く頃、ドイツでも花粉症が流行し、天気予報に花粉情報が出ることもある。

日の丸を掲げた船また風が吹けば涼しく感じられるほどに少し気温の高い日が続いている。夕方、近くのカフェに行くとのんびりと各々の時間を過ごしている人の姿がある。隣のテーブルの人は白ワインを飲んでいたがそのワイングラスが夕陽を受けて輝いている。このカフェは騒がしくないので、本や新聞をよく見かけるが、中には書き物をしている人もいて、オープンカフェながら静かな独特の雰囲気がある。

近くの公園では緑が優しい。特に日陰の緑が印象的である。夏の時期には花壇に色とりどりの様々な花が植えられるが、この時期はまだ早いようで、緑以外では土色が目立っている。そしてベンチを見てみると、そこには暫く誰も座っていないからか黄色の花粉が積もっていた。

街中にはビール自転車と呼ばれるビールを飲みながら走れる自転車を見かけることが多くなった。気温が上がって陽気な気分になる人が多いのだろう。このビール自転車は最大16人乗り(ペダルは10人)で時速6キロで走ることが出来る。道路交通法でも許可を得ている自転車でドイツ全土でレンタルされていると言うこと。

調べてみると2009年には約9万人が乗ったとあり、レンタルしたグループの半分以上が女性のグループだと言う。そして2004年以降、交通事故はゼロと言うことで、ビールを飲みながら、その雰囲気を楽しみながら乗れる自転車ということで人気があるらしい。こんなところにもドイツ人のビール好きなところが見える。5月はドイツでも最も日差しが強いが、最も綺麗な季節と言われている。その5月が楽しみだ。


青空の下の栗の木

青空の下の栗の木


オープンカフェにて

オープンカフェにて 多重露光で撮影


オープンカフェにて

オープンカフェにて夕陽を浴びるワイングラス


緑の優しさ

緑の優しさ


ビール自転車

ビール自転車


栗の木に咲く花

栗の木に咲く花


オープンカフェで夕陽を浴びながら

オープンカフェで夕陽を浴びながら


ベンチ

誰も座らないベンチ


夕方の花壇

夕方の花壇



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