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2009年12月31日 ドイツの伝統的な大晦日

「Dinner for One」という番組がある。これは約18分間の番組で毎年ドイツの大晦日に放送されている番組である。内容は一人の未亡人と一人の執事の話で、テーブルに着く未亡人に執事が給仕をしながら動き回ると言ったもの。見ているだけで何が可笑しいか分かるコメディである。

元々はイギリスで制作されたコメディだが、1963年、北ドイツ放送(NDR)が出演者を放送局まで呼びよせて、新たに制作されたものが現在は放送されている。1972年より毎年大晦日に放送される番組になっておりドイツだけでも毎年約20回放映される(制作したNDRのみカラーで、他局は白黒)。

全く同じ内容の白黒フィルムが既に30年以上放映されている。これがドイツの数多くの放送局で、またオーストリア、スイス、ノルウェー、スウェーデンでも放送されているとのこと。毎年毎年同じフィルムが流される。

そして1988年には世界で最も多く繰り返して放送されている番組としてギネス・ワールド・レコーズ(当時のギネス・ブック)に掲載された。2004年にはドイツでも1560万の人が、またスイスでは1997年、視聴率47パーセントになるほど多くの人がこの番組を見た。しかも話は全編英語にもかかわらず。(放送局によっては視覚障害者のためにドイツ語の解説が入ることもあり、また1999年よりドイツ語の放送も始められた。)

このコメディの台詞の中に「また昨年と同じように・・・」「いつもの年と同じように・・・」というものがあるが、この毎年毎年繰り返される話が、新年を迎えるのに良いのかも知れない。今もテレビをつけると既にそれが放送されている。今晩、いくつかの放送局で同じものが見られるかも知れない。2009年ももうすぐ終わり。

どうぞ皆さん良いお年を!


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